2013年12月13日金曜日

性同一性障害で女性から性別変更した男性を実父と認定


最高裁平成25年12月10日決定  性同一性障害で女性から性別変更した男性とその妻が、第三者から精子提供を受けてもうけた子について、「夫の子」と認める。

今回の決定の多数意見は、性同一性障害特例法4条は、「性別変更の審判を受けた者は、民法その他の法令の規定の適用について、法律に特段の定めがある場合を除き、他の性別に変わったものとみなす」旨を定めていることから、特例法3条1項の規定に基づき、男性への性別変更の審判を受けた者は、以後、法令の規定の適用について男性と見なされるため、民法の規定に基づき夫として婚姻することができるのみならず、婚姻中に妻が子を懐胎したときは、民法772条の規定により、当該子は当該夫の子と推定されるというべ きであるとしました。


 性別変更の審判を受けた者については、婚姻することを認めながら、他方で、婚姻の主要な効果
である772条による推定についての規定の適用を妻との性的関係の結果もうけた子でありえない
ことを理由に認めないのは相当ではないとしたものです。

5人の裁判官のうち3人の多数意見で、2人は反対の意見でした。

参考 特例法3条は別の取扱いの変更の審判ができる場合を定めています。

第三条  家庭裁判所は、性同一性障害者であって次の各号のいずれにも該当するものについて、
その者の請求により、性別の取扱いの変更の審判をすることができる。
 二十歳以上であること。
 現に婚姻をしていないこと。
 現に未成年の子がいないこと。
 生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。
 その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。
 前項の請求をするには、同項の性同一性障害者に係る前条の診断の結果並びに治療の経過
及び結果その他の厚生労働省令で定める事項が記載された医師の診断書を提出しなければならない。
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2013年12月6日金曜日

婚外子の相続分の格差解消へー改正民法が成立しました。

12月5日、結婚していない男女から生まれた婚外子(非嫡出子)の相続分を法律上の夫婦の嫡出子の2 分の 1とする旧民法900条4号但書きを削除する改正民法が成立しました。
これにより、 結婚していない男女から生まれた婚外子(非嫡出子)の相続分は、法律上の夫婦の嫡出子と平等になります。

改正付則により、平成25年9月4日の最高裁決定後に開始した相続については改正法が適用されることとなります。

この最高裁の決定については、私も過去に取り上げていますので、ご参照ください。
9月22日ブログ 「婚外子の遺産相続分を嫡出子の半分とする民法の規定を違憲と判断」
http://ovlolaw.blogspot.jp/2013/09/blog-post.html


 無料相談を行っていますので、電話予約の上ご利用ください。
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2013年11月15日金曜日

成年後見(1)-成年後見制度利用の現況

成年後見制度は、2000年に介護保険制度と同時に制度化されました。認知症、知的障害、精神障害により、判断能力の不十分な方々を保護し、支援する制度です。財産管理や契約、遺産分割協議などについて、選任された成年後見人が代理して行います。
成年後見という言葉は、耳にすることが多いと思いますが、制度の仕組みや実際にどのように申立て手続きをするか等について理解をしている方は少ないように思います。実際に、裁判所から選任され複数の成年後見人をしている立場から、制度利用の現況、申立ての方法、成年の後見制度のメリット、デメリット 、注意点などを数回に分けてお伝えします。

〔制度利用の現況〕
利用者は、年々増加し、平成24年末現在で、1万1150人の方が利用しています。但し、新受件数でみると、平成25年7月末現在では、1978件です。前年同月比94.4%と減少しています。
これは、平成25年1月に施行された家事手続法により、後見開始の申立ての取下げ等には、裁判所の許可が必要になったため、申立てに慎重な方が増加したためと言われています。
前記のように一度申立てをすると取下げに裁判所の許可を必要とすることなど、事前に制度を良く理解した上で申立てをすることは、将来の問題発生を回避するためにはたいへん重要です。



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2013年10月19日土曜日

職場のパワーハラスメント

厚生労働省発表によれば、平成24年度に労働局に寄せられ「いじめ・嫌がらせ」に関する相談件数は、約52,000件にまで達しています。また、ひどい嫌がらせ、いじめなどを原因とした精神障害の労災補償の支給決定も475件に上ります。訴訟の中でもパワーハラスメントという言葉が使われるようになり、判決でもパワーハラスメントという言葉が使われる例も見られます。

パワーハラスメントを放置することは、被害にあわれている従業員の心身の健康を害することはもとより、企業にも悪影響を与えますので、積極的な対応が必要です。
政府も、深刻に事態の深刻化を受けて、相談窓口の設置やガイドブックの作成などの対応をしています。先ず、一人で悩まずに、だれかに相談をすることが重要です。私も、相談を受けておりますの
で予約の上ご利用ください。
また、企業向けには対策ガイドラインの作成時の法的アドバイスなどを、労働問題の一環として行っています。

職場のパワーハラスメント(パワハラ)に関連する相談機関一覧

http://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/inquiry-counter

職場のパワーハラスメント対策ブックが下記のサイトからダウンロードできます。

厚生労働省あかるい職場応援団

 

 

 

 

 

 

 

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2013年9月22日日曜日

婚外子の遺産相続分を嫡出子の半分とする民法の規定を違憲と判断:相続人についての判例


 マスコミでも大きく報道されましたが、9月4日、最高裁大法廷は婚外子の遺産相続分を嫡出子の半分とする民法の規定を違憲と判断しました。

 現行民法では結婚していない男女間の子(婚外子)は、結婚している夫婦間の子(嫡出子)の相続分の2分の1としています(第900条4号)。この規定は1947年(昭和22年)の民法改正により設けられたものです。

今回最高裁は、婚姻や家族の形態が著しく多様化し、国民意識の多様化が大きく進んでおり、現在、家族という共同体の中における個人の尊重がより明確に認識されてきたことは明らかだとしました。
 そして、認識の変化に伴い、父母が婚姻関係になかったという、子自らが選択や修正する余地のない事柄を理由に不利益を及ぼすことは許されず、子を個人として尊重し、その権利を保障すべきである、という考えが確立されてきていることから、婚外子の相続分を区別する合理的根拠は失われており、本件規定は憲法に違反するとしたものです。

 ただ、今回の決定の違憲判断が既に行われた遺産分割に影響し、解決済みの事案にも効果が及べば、著しく法的安定性を害することになるとして、この決定までに開始されたほかの相続について、本件規定を前提に行われた遺産分割の審判や裁判、分割協議、合意などで確定的となった法律関係に影響を及ぼすものではないとも判断しました。
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2013年9月6日金曜日

賃金不払残業が相談内容の半数を占めるー若者の使い捨てが疑われる(いわゆるブラック企業) の電話相談の実施結果


厚生労働省は、9月1日に実施した「若者の使い捨てが疑われる(いわゆるブラック企業)の電話相談」の実施結果を発表しました。

相談件数は、1,042件。相談者は、20代と30代が約半数を占めています。賃金不払残業が相談内容の半数以上を占めていました。

発表の内容は、下記のとおりです。発表の詳細や、関連資料は厚生労働省のホームページを見てください。
厚生労働省 HP http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000019371.html





























当事務所も労使問題の相談に対応しています。無料相談を行っていますので、電話予約の上ご利用ください。
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2013年8月9日金曜日

養育費、面会交流の取決め状況ー厚生労働省「全国母子家庭等調査結果報告

2012年施行の改正民法で、非親権者の父または母と子の面会交流及び養育費について明文化されました。 これに伴い、離婚届出用紙にも、面会交流と養育費の取り決めのチェック欄が設けられ、離婚に際しては、将来、子の利益を損なうことのないように両親事前に協議し取り決めをすることを促しています。

厚生労働省がまとめた2011年度の「全国母子家庭等調査結果報告」(5年に一度実施)によると、母子家庭の推計数は、約123万世帯であり、そのうち約8割が離婚を原因とする母子家庭です。この調査は、民法が改正される前の調査ですが、傾向に大きな変化はまだないのではないかと言われています。

 平成23年度全国母子世帯等調査結果報告へ

この報告によれば、父親から養育費を受けとっているのは、全体の19.7%としかいません。また、離婚に際して養育費の取決めをしているのは、全体の37.7%でした。養育費の取決めを文書でしているのは、全体の26.6%でした。

離婚に際して、面会交流について、 取決めをしているのは、全体23.4%でした。文書で取決めをしているのは、全体の11.7%しかありませんでした。
面会交流を行っているのは、27.7%でした。

お子さんのためには、養育費と面会交流については、関係法律に則り予め決めておくことが大切です。
母子世帯の母のうち45.6%が、離婚の際又はその後、子どもの養育費関係で だれにも相談していないという結果でした。 今は、相談できるところがいろいろとありますので一人で悩まずに、相談されることお勧めします。

私も、無料相談を行っていますので、電話予約の上ご利用ください。
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2013年7月30日火曜日

親権停止申立て27件ー厚生労働省発表

厚生労働省は、 平成24年度に全国の児童相談所長が行った親権停止の申立ては、17
自治体で27件 であったと発表しました(6月25日)。
併せて、親権停止の事例を4件を公表しました。

平成24年度に児童相談所長により申立てられた親権停止の事例(厚生労働省サイト)
http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=146184&name=2r98520000037bau.pdf

27件中、 家庭裁判所が親権停止を認めたのは15件です。 他は、審判中などです。
法人又は複数人の未成年後見人の選任申立ての実績は、8自治体で13事例がありました。

親権停止制度は、 昨年4月1日施行の民法改正に設けられた制度です。 親権行使が適当でない場合に、2年を超えない範囲で親権を停止する制度です。親権を停止する期間を設けることで、 子を何らの問題 のある父又は母から引き離しやすくし、子の利益を保護しようとするものです。

制度の概要については、昨年の3月28日に、ここでも取り上げていますので、ご参照ください。 http://ovlolaw.blogspot.jp/2012/03/blog-post_28.html

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2013年7月26日金曜日

労働審判をテーマにしたホームページを開設しました。

この度、労働審判制度を中心に労働問題に関する情報を発信するホームページ-「弁護士が書く労働審判サイト」を開設しました。労働審判制度の概要、労働審判を申し立てられた使用者側がどのように対応すべきかを中心に置きながら、関連する情報、トッピクスを適時発信していきます。

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 「弁護士が書く労働審判サイト」 http://www.aclaw.jp



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弁護士 面川 典子(おもかわのりこ)  http://www.ovlo-law.jp

        

2013年7月11日木曜日

実務解説 相続・遺言の手引きのご紹介


私(弁護士 面川典子)が、東京弁護士会 相続・遺言研究部のメンバーとして執筆加わった「「実務解説 相続・遺言の手引き」が、日本加除出版株式会社よりから出版されました。
以前、このブログでも、取り上げましたが、2015年1月より相続税の基礎控除が減額されます。これにより、相続税は一部富裕層 だけのものから、今まで相続税を意識していなかった一般家庭も影響の及ぶものとなりましたので、日頃から相続・遺言について関心を持つことは、たいへん重要なことだと思います。
(2013年2月13日ブログ  http://ovlolaw.blogspot.jp/2013/02/blog-post_7102.html


本書では、相続分の譲渡、遺産の代償財産、遺産管理費用、葬式費用・香典、死亡退職金、遺族給付金、死亡退職金、遺族給付金、遺言の解釈・効力、「相続させる」遺言、遺留分放棄などに関する実務上の留意点を わかりやすく解説しています。

私(弁護士 面川典子)は、遺産分割、遺言書についても、無料の法律相談を行っていますの で、電話でご予約の上、どうぞご利用ください。
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内容紹介(加除出版ぎょうせいオンラインより)
http://www.kajo.co.jp/book/40261000002.html


類書にはない、「実務に踏み込んだ解説」
実務で押さえておきたい項目を網羅!

●好評を博した「実務家のための相続遺言の手引き(2006/6刊)」の
内容を見直し、新章を追加。
●一般的な相続・遺言の解説に留まらず、「実務家目線」での留意点
や理解すべき内容を意識した解説。
●家事事件手続法、平成25年度の税制改正に対応。

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(被相続人死亡後の法定相続人調査確定から、相続税の申告まで対応しています。
この詳細については、無料の法律相談とは別途、お問合せください。)


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2013年6月5日水曜日

成年後見制度ー判断能力が衰えた高齢者と金融機関とのトラブル増加

証券会社の男性社員が、認知症を患った顧客女性(80歳)の弟になりすまして、この女性
が、他の証券会社に保有する投資信託を不正に解約させていたという報道がありました。

金融商品取引法は、「顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する
目的に照らして不適当と認められる勧誘」をしてはならないと規定しています (金融商品取
引法40条1項)。
しかしながら、現実には高齢者の潤沢な資金の獲得を目指す金融機関の動きは激しくなっ
ており、不正な営業活動が行われるおそれも否定できません。
被害にあった場合に後から訴訟を起こしても、不適当な営業についての立証は困難で、
必ず勝訴する保証はありません。

判断能力が衰えた場合は、親族や専門家が成年後見人になって、その財産を管理するこ
とが本人の保護になります。
成年後見制度の内容については、私のホームページの成年後見のページ
 ( http://www.ovlo-law.jp/pg04.html ) をご覧ください。

当事務所でも、成年後見申立ての支援を行っています。また、成年後見人候補者にもなっ
ておりますので、詳しくはご相談ください。

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2013年5月21日火曜日

交通事故と示談交渉ー交通事故死者の約半数は高齢者

昨年の交通事故死者数は、4411人と、 過去最悪だった昭和45年の1万6765人に比
べ、約4分の1近くまで減少しましたが、事故の発生件数は約67万件と、約3割の止まっ
ています。特に高齢者の割合は、年々増加傾向にあります。

 ◎平成24年交通事故の発生件数(警察庁交通局発表 )
         発生件数    66万5,138件     
         死傷者数    82万9,807人
         死者数           4,411人 
   
(高齢者の事故)
死者数を年齢別に見ていくと、65歳以上の高齢者が約半数近くにも及びます。
運転免許保有者が高齢化し相対的に高齢者が増加してはいますが、高齢者の事故数は
10年前の約1.4倍 、75歳以上では約2倍にも増えています。  高齢者の死亡事故にお
いては、約半数が歩行中の事故と、被害者になることが多いです。
高齢者が、被害者になってしまったとき、事故当時の記憶が曖昧であったり、記憶がない
にもかかわらず、自己に非があることを認めてしまうこともあると言われています。
事故当日の供述は、事実関係の認定では重視されますので、落ち着いた、慎重な対応が
必要です。

(示談交渉に際して)
交通事故の加害者になってしまったときは、加入している保険会社が、被害者と交渉をし
ます。
一方、被害者になったときは、ご自身で、保険会社又は保険会社の代理人である弁護士
と交渉することになります。 一度、交通事故示談書に、サインをしてしまうと、これを取り
消すことは相当に困難になります。交通事故の示談交渉には、難しい法律問題を含むこ
とがありますので、弁護士に相談されることをお勧めします。

当事務所でも、交通事故問題に取り組んでいますので、どうぞご相談ください。
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2013年4月27日土曜日

面会交流、間接強制に対し最高裁判所が初判断。

昨年4月施行の民法改正により、父又は母との面会及びその他交流(面会交流)について、
明文化され、 旧来と比較し子どもの利益が優先して考慮される環境が整備されつつあります。

しかし、 現実には離婚などの際に、 子どもと離れて暮らす親(非監護親)と子どもとの面会交
流の取り決めをしたにもかかわらず、子を監護している親(監護親)が、約束を守らないことも
あります。
その場合、裁判所は、面会交流することを許さなければならないと命ずるとともに、 相手方に
対し、その義務を履行しないときは一定の金銭を支払うことを命ずる決定ができるとの初判断
をしました。

最高裁平成25年3月28日第一小法廷決定は、監護親に対して非監護親が子と面会交流す
ることを許さなければならないと命ずる審判において、 面会交流の日時又は頻度、各回の面
会交流時間の長さ、 子の引き渡し方法等が具体的に定められているなど監護親がすべき給
付の特定に欠けるところがないと言える場合は、  上記審判に基づき監護親に対し間接強制
決定することができると解するのが相当であるとしました。

これは、調停調書又は審判が面会交流を定めるに際して、「 面会交流の日時又は頻度、 各
回の面会交流時間の長さ、子の引き渡しの方法等が具体的に定められているなどの監護親
がすべき給付の特定に欠けるところがないと言えるとき 」には、間接強制が許されるというも
のです。

一方で、「 頻度や時間は決められているが、子どもの引き渡し方法について定められていな
い 」などとして、いずれも間接強制を認めなかった高松、仙台高裁の判断は正当と結論づけ
られています。

当然、子の利益が最優先ですが、調停などでの面会交流の取り決めの際には、日時( 又は
頻度 )、時間と場所、引き渡し方法まで、特定する必要があるということになると思われます。
前記のような具体的方法についても、しっかりと話し合いをすることが必要です。
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2013年4月10日水曜日

改正労働契約法、改正高齢者雇用安定法の施行と雇用

  4月1日、労使双方の雇用問題に大きな影響を与える「改正労働契約法」、「改正高齢
者雇用安定法」が施行されました。これにより、会社側は、早期に雇用体系、 賃金体系の
見直しが必要になりました。

  <改正労働契約法>
(1)5年を超えた有期労働契約について労働者の申込みにより期間の定めのない労働契
約へ転換させる仕組みの導入  (但し、6ヶ月以上の空白期間があるときは、前のを通算し
ないものとされます。)と、 (2)期間の定めるがあることによる不合理な労働条件の禁止が
今回施行となっています。

5年以上働き続けた有期契約労働者が、突然雇止めされる不安はなくなりますが、使用者
側が期間について慎重になる可能性があります。  特に、雇用期間が5年に近づいた労働
者は十分に注意をする必要があります。

  <改正高齢者雇用安定法> 
  定年に達した労働者を引き続き雇用する継続雇用制度の対象者を、これまでのような労
使協定で限定できる仕組みを廃止するとともに、義務違反の企業に対して指導し、  改善が
なければ企業名を公表することなどを内容としています。 希望者全員を継続雇用制度の対
象とします。

会社側、労働者側双方の労働問題、労働審判に関する相談に応じています。
お電話でご予約の上、まずは無料法律相談にお越しください。
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弁護士 面川 典子(おもかわのりこ)  http://www.ovlo-law.jp
        

2013年3月18日月曜日

下請法のトラブル回避について

1月18日付の日経新聞の報道によれば、公正取引委員会が、2012年に「下請け業者に
支払う代金を不当に減額した」などとして、下請法に基いて親事業者(発注元)に勧告し、
返還を求めた金額は約49億円と、11年に比べ約2.7倍に増加し、過去最多となりました。

下請法は、1956年に中小企業、個人事業主の保護を目的に制定された法律です。
当初は、製造業が主な適用対象でしたが、改正されるに従い、適用の範囲と規制が強化
されています。2003年の改正により、ソフトウェア開発の「情報成果物製造委託」や運送
業、ビルメンテナンス等のあるゆる「役務提供委託」も規制の対象になり、  禁止行為も大
幅に追加されました。
小売業については、適用の対象にならないと思われがちですが、PB商品については、製
造委託として適用の対象になります。


日常的に、下請け事業者と取引をしている企業は、下請法を良く理解して、その規制に対
応できる体制になっていると思いますが、あまり意識せずに親事業者(元請):下請け事業
者になってしまっていて、公取又は中小企業庁の調査・指摘により、はじめて法律違反をし
ていることに気づくこともあります。
業務委託をするとき、又は受託するときは、資本金、業務の内容を良く見て、先ずは下請
法の対象になるか先に判断する必要があります。

今までの感覚、商習慣で取引を行うと、無意識に違反を行ってしまうことがあります。
例えば、
①親事業者が発注するときは、下請け事業者に対して下請法第3条に定められた書面を
交付しなければなりませんが、後で内容を修正すれば良いと考えて、とりあえずの内容で
期限までに交付し、精査しところ仕事量が少ないので下請けと相談の上、減額しようとす
ると、下請けの責任によらない減額として違反になる恐れが生じますので、十分内容を詰
めてから書面を交付する必要があります。
②何らの受入検査をしなかったときは、あとで瑕疵が見つかっても、返品ややり直しをさ
せることができないというのが、公取の見解です。

下請法でお困りのときは、親事業者、下請け事業者双方の相談をお受けしていますので
お問合せください。
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弁護士 面川 典子(おもかわのりこ)  http://www.ovlo-law.jp
         電話番号: 03-3503ー0921(東京エクセル法律事務所)
    電子メール: info@ovlo-law.jp

2013年2月19日火曜日

相続税増税による基礎控除減額と遺産分割、遺言書

  相続税法が改正され、2015年1月より基礎控除が減額されます。
例えば、 従来は、法定相続人が妻、 子ども2人であれば、基礎控除は、8,000万円でした
が、改正後は、4,800万円へ大幅に引き下げられます。これにより、相続税は一部富裕層
だけのものから、今まで相続税を意識していなかった一般家庭も影響の及ぶものとなります。

  基礎控除の算定方法
   例)法定相続人が3人のとき(妻、子ども2人)
     従  来:5,000万円+1,000万円×法定相続人数=8,000万円
     改正後:3,000万円 +   600万円×法定相続人数=4,800万円

  特に、大都市圏に不動産を持つ家庭は相続税の対象になる可能性が高くなりますので、
日頃から関心を持つことが求められます。 また、財産を引き継ぐ相続人は、 被相続人が亡
くなってから10ヶ月以内に、原則として現金で相続税を納税する義務があります。相続財産
が現金や上場有価証券であったときは、直ぐに納付できますが、不動産や未上場有価証券
のときは、直ぐに現金化して納税することは困難です。そのため相続財産、法定相続人を把
握して、 相続する遺産の額が基礎控除を超える可能性があるときは事前に対策を考える必
要があります。
 
 遺産分割では、今回の改正により課税対象者が増加し、相続税の資金の確保が必要にな
ることから、親族間の争いが増加することが予想されます。このため争いを回避する一つの
有効な方法として、遺言書の作成をお勧めしまます。
今まで、 日本では遺言書は、一般の家庭には関係ないと思われがちでしたが、遺言書を作
成することにより、多くの争いを回避することができます。
遺言書は、だれでも作成することができますが、 形式を誤ったり、 遺留分を誤るなど法的に
問題のある遺言書では、 より問題を複雑化させてしまいますので、是非弁護士にご相談くだ
さい。

また、少子化高齢化、被相続人が認知症を患っている、国際結婚、婚外子、事実婚など、遺
言書の作成に際し、 一般の方には法的にどうすれば良いのか判断がたいへん難しい事例も
増加傾向です。
私(弁護士 面川典子)は、遺産分割、遺言書についても、無料の法律相談を行っていますの
で、電話でご予約の上、どうぞご利用ください。
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  弁護士 面川 典子(おもかわのりこ)  http://www.ovlo-law.jp
       

(被相続人死亡後の法定相続人調査確定から、相続税の申告まで対応しています。
この詳細については、無料の法律相談とは別途、お問合せください。)

相続税増税と遺言書作成のお勧め

報道等でご承知のとおり、2015年1月より相続税法が改正され、基礎控除が減額
されます。
例えば、従来は、法定相続人が妻、子ども2人であれば、基礎控除は、8,000万円
でしたが、改正後は、4,800万円への大幅に引き下げられます。これにより、相続税
は一部の富裕層だけのものから、今まで相続税を意識していなかった一般家庭も影
響を受けるものとなります。

  基礎控除の算定方法
    例)法定相続人が母、子ども2人のとき。
     従  来: 5,000万+1,000万×法定相続人数 = 8,000万円
     改正後: 3,000万+  600万×法定相続人数 = 4,800万円
 
 特に、大都市圏に不動産を持つ方は相続税の対象になる可能性が高くなりますの
で、日頃から感心を持つことが求められます。また、相続税は、被相続人が亡くなって
から10か月以内に、財産を引き継ぐ相続人は、原則として現金で納付する義務があ
ります。相続財産が現金や上場有価証券であったときは、すぐに納付できますが、相
続財産が不動産であったり未上場有価証券のときは、すぐに現金化して納税するの
は困難です。そのため事前に相続財産、法定相続人を把握して、相続する遺産の額
が基礎控除額を超える可能性があるときは事前に対策を考える必要があります。

 相続の問題は、大きくは相続税の納税と遺産分割の問題です。相続税の問題は、
特に一般の方には評価の難しい相続財産があるときなどは、税理士などの専門家と
相談するのが安全な方法であると思います。
 
(遺言書の作成)
 一方、遺産分割では、今回の改正により課税対象者が増加し、相続税のための資
金の確保が必要になることから、親族間の争いが増加することが予想されます。この
ためトラブルを回避する一つの方法として、遺言書の作成をお勧めしています。日本にお
いて、遺言書は今までは、一般の方に関係ないと思われがちでしたが、遺言書を作成
することにより、多くの争いを回避することができます。
遺言書は、だれでも作成することができますが、形式を誤ったり、遺留分を誤るなど法
的に問題のある遺言書では、より問題を複雑化させてしまいますので、是非弁護士に
ご相談ください。

また、少子高齢化、被相続人が認知症を患っている、国際結婚、婚外子、事実婚など、
遺言書の作成に際し、一般の方には法的にどうなのか判断がたいへん難しい問題も
増加しています。
私(弁護士 面川典子)は、無料法律相談も行っておりますので、どうぞご利用ください。

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    弁護士 面川 典子(おもかわのりこ) http://www.ovlo-law.jp
          


(生前の遺言書の作成以外にも、被相続人の死亡後の法定相続人の調査確定から、
相続税の申告まで対応しております。この詳細については、無料の法律相談とは別
途、事前にお問い合わせください。)

2013年2月6日水曜日

子どもの手続き代理人

離婚事件などでは、両親の間にはさまれた子供の気持ちが、置き去りになっていると感じること
もあります。
平成25年1月施行の「家事事件手続き法」においては、次のような事件
     ・面会交流にような子の監護に関する処分の審判
     ・親権喪失・停止・管理権喪失の審判
     ・親権変更・調停・審判
     ・未成年後見人選任審判
     ・離婚における親権者指定調停
では、子ども自身が審判や調停手続きに参加し、その子どもは、必要があれば、「手続代理人」
を選任することができるようになりました。
子どものための「手続代理人」の活用も含め、両親間の紛争に巻き込まれた子どもをサポートす
るため、私の所属する東京弁護士会の「子ども人権110番」では、こうした子どもたちが、無料で
弁護士に電話相談できる体制を整えていますので、ご利用ください。

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 東京弁護士会子ども人権救済センター「子ども人権110番」

     電話番号      03-3503-0110
     受付時間      月 ~ 金曜日 午後1時30分~午後4時30分、午後5時~8時
                土曜日         午後1時~4時
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私(面川)も、こどもの手続き代理人制度に 取り組んでいますので、お悩みをおかかえの方は、お
問い合わせください。

弁護士 面川 典子(おもかわのりこ) http://www.ovlo-law.jp