2015年10月2日金曜日

相続トラブルを避けるポイント

今年の1月に相続税の改正が行われたことなどもあり、相続に関する関心は高くなってきたように
感じます。それでも、何らかの対策をしている方はまだまだ少数派のようです。
相続税の申告と納税は、原則、被相続人の死を知ってから10ヶ月以内という時間的な制約もあり
簡単でない場合もあります。
裁判所の統計でも、家庭裁判所に新たに持ち込まれた遺産分割調停は2013年に1約万3千件と10年前に比べ3割増えています。

事前に準備をしておくことにより、トラブルを避けることもできます。次の点が、トラブル回避のポイントになります。
実際にこれを行うには、親の協力がなければすることができません。親の気持ちを大切に聞いて
いくことが大切なことのように思います。特に高齢の親の場合は、子ども毎に言うことが違うということが珍しくありません、これがトラブルの原因になることも多いので注意が必要です。 

①資産、負債の確認
 ・現金・預金
 ・有価証券
 ・保険、共済
 ・借入、ローン
 ・不動産、名義、抵当権設定の有無
  ・第三者の借入に対する連帯保証の有無

  相続は、資産だけではなく負債も継承することになります。よく確認せずに相続をしたら
  大きな負債がありたいへん困るという事例もあります。

②法定相続人を知る
  嫡出でない子、養子まで含めて確認しておく。

③相続税課税の有無の確認
  前記の資産目録、法定相続人により、相続税額の有無と大凡の納税額を把握する。
  税務署の相談などを利用する。

④不動産などの分けるのが難しい資産がある場合の分け方を知る。
  遺産が「実家」1件の場合の分け方には、次の方法があります。
 ・現物分割  - 遺産は現在あるままで分割 (遺産が1件のみの場合は困難)
 ・代償分割  - 相続分より多く相続する人が、その他の相続人へ金銭を支払う。
 ・換価分割  -  財産を売却して、その代金を分ける
 ・共有分割 - 共有名義にする


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 実務解説 相続・遺言の手引き(加除出版)
 著者:東京弁護士会相続遺言研究部編
 
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 弁護士 面川 典子(おもかわのりこ)  http://www.ovlo-law.jp