2013年12月13日金曜日

性同一性障害で女性から性別変更した男性を実父と認定


最高裁平成25年12月10日決定  性同一性障害で女性から性別変更した男性とその妻が、第三者から精子提供を受けてもうけた子について、「夫の子」と認める。

今回の決定の多数意見は、性同一性障害特例法4条は、「性別変更の審判を受けた者は、民法その他の法令の規定の適用について、法律に特段の定めがある場合を除き、他の性別に変わったものとみなす」旨を定めていることから、特例法3条1項の規定に基づき、男性への性別変更の審判を受けた者は、以後、法令の規定の適用について男性と見なされるため、民法の規定に基づき夫として婚姻することができるのみならず、婚姻中に妻が子を懐胎したときは、民法772条の規定により、当該子は当該夫の子と推定されるというべ きであるとしました。


 性別変更の審判を受けた者については、婚姻することを認めながら、他方で、婚姻の主要な効果
である772条による推定についての規定の適用を妻との性的関係の結果もうけた子でありえない
ことを理由に認めないのは相当ではないとしたものです。

5人の裁判官のうち3人の多数意見で、2人は反対の意見でした。

参考 特例法3条は別の取扱いの変更の審判ができる場合を定めています。

第三条  家庭裁判所は、性同一性障害者であって次の各号のいずれにも該当するものについて、
その者の請求により、性別の取扱いの変更の審判をすることができる。
 二十歳以上であること。
 現に婚姻をしていないこと。
 現に未成年の子がいないこと。
 生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。
 その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。
 前項の請求をするには、同項の性同一性障害者に係る前条の診断の結果並びに治療の経過
及び結果その他の厚生労働省令で定める事項が記載された医師の診断書を提出しなければならない。
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   弁護士 面川 典子(おもかわのりこ)  http://www.ovlo-law.jp