2013年11月15日金曜日

成年後見(1)-成年後見制度利用の現況

成年後見制度は、2000年に介護保険制度と同時に制度化されました。認知症、知的障害、精神障害により、判断能力の不十分な方々を保護し、支援する制度です。財産管理や契約、遺産分割協議などについて、選任された成年後見人が代理して行います。
成年後見という言葉は、耳にすることが多いと思いますが、制度の仕組みや実際にどのように申立て手続きをするか等について理解をしている方は少ないように思います。実際に、裁判所から選任され複数の成年後見人をしている立場から、制度利用の現況、申立ての方法、成年の後見制度のメリット、デメリット 、注意点などを数回に分けてお伝えします。

〔制度利用の現況〕
利用者は、年々増加し、平成24年末現在で、1万1150人の方が利用しています。但し、新受件数でみると、平成25年7月末現在では、1978件です。前年同月比94.4%と減少しています。
これは、平成25年1月に施行された家事手続法により、後見開始の申立ての取下げ等には、裁判所の許可が必要になったため、申立てに慎重な方が増加したためと言われています。
前記のように一度申立てをすると取下げに裁判所の許可を必要とすることなど、事前に制度を良く理解した上で申立てをすることは、将来の問題発生を回避するためにはたいへん重要です。



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弁護士 面川 典子(おもかわのりこ)  http://www.ovlo-law.jp