2013年3月18日月曜日

下請法のトラブル回避について

1月18日付の日経新聞の報道によれば、公正取引委員会が、2012年に「下請け業者に
支払う代金を不当に減額した」などとして、下請法に基いて親事業者(発注元)に勧告し、
返還を求めた金額は約49億円と、11年に比べ約2.7倍に増加し、過去最多となりました。

下請法は、1956年に中小企業、個人事業主の保護を目的に制定された法律です。
当初は、製造業が主な適用対象でしたが、改正されるに従い、適用の範囲と規制が強化
されています。2003年の改正により、ソフトウェア開発の「情報成果物製造委託」や運送
業、ビルメンテナンス等のあるゆる「役務提供委託」も規制の対象になり、  禁止行為も大
幅に追加されました。
小売業については、適用の対象にならないと思われがちですが、PB商品については、製
造委託として適用の対象になります。


日常的に、下請け事業者と取引をしている企業は、下請法を良く理解して、その規制に対
応できる体制になっていると思いますが、あまり意識せずに親事業者(元請):下請け事業
者になってしまっていて、公取又は中小企業庁の調査・指摘により、はじめて法律違反をし
ていることに気づくこともあります。
業務委託をするとき、又は受託するときは、資本金、業務の内容を良く見て、先ずは下請
法の対象になるか先に判断する必要があります。

今までの感覚、商習慣で取引を行うと、無意識に違反を行ってしまうことがあります。
例えば、
①親事業者が発注するときは、下請け事業者に対して下請法第3条に定められた書面を
交付しなければなりませんが、後で内容を修正すれば良いと考えて、とりあえずの内容で
期限までに交付し、精査しところ仕事量が少ないので下請けと相談の上、減額しようとす
ると、下請けの責任によらない減額として違反になる恐れが生じますので、十分内容を詰
めてから書面を交付する必要があります。
②何らの受入検査をしなかったときは、あとで瑕疵が見つかっても、返品ややり直しをさ
せることができないというのが、公取の見解です。

下請法でお困りのときは、親事業者、下請け事業者双方の相談をお受けしていますので
お問合せください。
---------------------------------------------------------------

弁護士 面川 典子(おもかわのりこ)  http://www.ovlo-law.jp
         電話番号: 03-3503ー0921(東京エクセル法律事務所)
    電子メール: info@ovlo-law.jp