2022年1月19日水曜日

4月より、成人年齢が18歳に引き下げられます

本年(2022年)4月より、成人年齢が18歳に引き下げられます

 2018年6月13日,民法の成年年齢を20歳から18歳に引き下げること等を内容とする民法の一部を改正する法律が成立しました。あわせて、年齢要件を定める他の法令についても、必要に応じて引き下げられる改正が行われました。女性の婚姻開始年齢は16歳と定められていましたが、今回の改正では,女性の婚姻年齢は18歳に引き上げられました。この一連の改正が、本年4月1日から施行されるものです。

 2022年4月1日の時点で,18歳以上20歳未満の方(2002年4月2日生まれから2004年4月1日生まれまでの方)は,その日に成年に達することになります。 2004年4月2日生まれ以降の方は,18歳の 誕生日に成年に達することになります。

 消費者被害の拡大が懸念されていますので、十分ご注意ください。

成人年齢が18歳に引下げらたことにより、18歳、19歳の人は、今までは親の同意を得ないとできなかった様々な契約が、親の同意を得ずにできるようになります。(例、アパートの賃貸契約、携帯電話の購入、ローンを組んでの部品の購入など)

未成年者が契約を締結するには父母の同意が必要であり、同意なくして締結した契約は、後から取り消すことができますが、4月1日以降は18歳、19歳の人はこの取り消しができなくなりますので、契約に際しては、十分な注意が必要です。契約のときは、いままでのとおり親などと相談をしてから契約されることをお勧め致します。 

万一意に沿わない契約をしてしまったときは、クーリングオフの制度により一定の期間内であれば、解約できるものもあります。クーリングオフの詳細は、「国民生活センター」のサイトをご参照ください。https://www.kokusen.go.jp/soudan_now/data/coolingoff.html 

また、各弁護士会でも相談窓口や電話相談を設けていますので、一人で悩まずに相談してみてください。

私の所属している「東京弁護士会」の相談センター・窓口です。https://www.toben.or.jp/bengoshi/center/madoguchi/













法務省民事局パンフレットより

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弁護士 面川 典子(おもかわのりこ)  http://www.ovlo-law.jp

2017年6月1日木曜日

120年ぶり民法改正、公布から3年以内に施行されます

債権や契約に関する分野など、インターネットの普及や高齢化などにより
現状に合わなくなっている点が見直されています。
消費者保護にポイントがおかれた改正になっています。

公布から3年以内に施行されるため、時間的な余裕はありますが、先ずは
改正の概要を理解して、今から準備をしておくべきかと思います。
特に、事業を行っている方には、大きな影響が及ぶと思われる改正点もあ
りますので、ご留意くだささい。

主な改正点です。
(約款)
約款に基づいて契約することをあらかじめ表示したり、契約者と合意したり
していれば、内容を理解していなくても有効だと明記されました。同時に、
消費者に一方的に不利な内容は無効とすることが明記されました。
現在でも、例えばインターネットショッピングをする際には約款に同意しな
いと、購買ができない仕組みになっており、現状を追認しながら、消費者保
護につなげるものです。
   

(保証人)
中小企業が、融資を受ける際の連帯保証人に公証人が直接、「連帯保証」を
する意思を確認することが義務付けられました。(融資を受けた企業の経営者
や、議決権の過半数を持つ大株主などである場合を除く)
これが、本来あるべき形かと思いますが、一方で中小企業が連帯保証人が見
つけられず、融資を受けられなくなることが予想されますので、何らかの制
度的なものが必要かと思います。

(敷金)
畳の擦り切れや、壁紙の日焼けといった経年変化、通常な生活に必要な傷に
ついては、借り主に回復の義務がないことが明記されました。どれが、経年
劣化か、通常な生活に必要な傷とされるのかなど難しい問題がありますが、
借主が予想外の現状回復費を請求されことは減ると思います。一方で、賃貸
オーナーにとっては、今までは請求できていたものが施行後は請求できなく
なることも、予想されますので、相続対策で、アパートの建設計画のあるよ
うな方は、これを踏まえた損益見通しが必要になります。

(認知症のある方との契約)
認知症などで判断能力が乏しい人が結んだ契約を無効とする項目も新設されま
す。今でも、認知症などにより判断力の乏しい方との契約は無効とされてきま
したが、今回の改正により、明確になりました。

上記以外にも、改正される点がありますので、また別な機会に書くつもりです。   

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弁護士 面川 典子(おもかわのりこ)  http://www.ovlo-law.jp           

2015年10月2日金曜日

相続トラブルを避けるポイント

今年の1月に相続税の改正が行われたことなどもあり、相続に関する関心は高くなってきたように
感じます。それでも、何らかの対策をしている方はまだまだ少数派のようです。
相続税の申告と納税は、原則、被相続人の死を知ってから10ヶ月以内という時間的な制約もあり
簡単でない場合もあります。
裁判所の統計でも、家庭裁判所に新たに持ち込まれた遺産分割調停は2013年に1約万3千件と10年前に比べ3割増えています。

事前に準備をしておくことにより、トラブルを避けることもできます。次の点が、トラブル回避のポイントになります。
実際にこれを行うには、親の協力がなければすることができません。親の気持ちを大切に聞いて
いくことが大切なことのように思います。特に高齢の親の場合は、子ども毎に言うことが違うということが珍しくありません、これがトラブルの原因になることも多いので注意が必要です。 

①資産、負債の確認
 ・現金・預金
 ・有価証券
 ・保険、共済
 ・借入、ローン
 ・不動産、名義、抵当権設定の有無
  ・第三者の借入に対する連帯保証の有無

  相続は、資産だけではなく負債も継承することになります。よく確認せずに相続をしたら
  大きな負債がありたいへん困るという事例もあります。

②法定相続人を知る
  嫡出でない子、養子まで含めて確認しておく。

③相続税課税の有無の確認
  前記の資産目録、法定相続人により、相続税額の有無と大凡の納税額を把握する。
  税務署の相談などを利用する。

④不動産などの分けるのが難しい資産がある場合の分け方を知る。
  遺産が「実家」1件の場合の分け方には、次の方法があります。
 ・現物分割  - 遺産は現在あるままで分割 (遺産が1件のみの場合は困難)
 ・代償分割  - 相続分より多く相続する人が、その他の相続人へ金銭を支払う。
 ・換価分割  -  財産を売却して、その代金を分ける
 ・共有分割 - 共有名義にする


私(弁護士 面川典子)は、遺産分割、遺言書についても、無料の法律相談を行っていますの で、電話でご予約の上、どうぞご利用ください。

 私も執筆に参加した書籍です。ご興味のある方は参考にしてください。 

 実務解説 相続・遺言の手引き(加除出版)
 著者:東京弁護士会相続遺言研究部編
 
相続分の譲渡、遺産の代償財産、遺産管理費用、葬式費用・香典、死亡退職金、遺族給付金、死亡退職金、遺族給付金、遺言の解釈・効力、「相続させる」遺言、遺留分放棄などに関する実務上の留意点を わかりやすく解説しています。

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 弁護士 面川 典子(おもかわのりこ)  http://www.ovlo-law.jp

2014年6月17日火曜日

面会交流ー養護施設等入所の子との面会交流を認めた裁判例



全国の家庭裁判所では家庭の問題についての裁判例が出ています。
最近の裁判例を、機会を見てこのブログでご紹介します。

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東京家裁H24.6.29(家裁月報65巻3号52頁)

離婚後の非親権者である父が児童養護施設等の施設に入所中である子らとの面会を行うことと求めた事案

父母が離婚した場合の非監護親と子との面会交流は、基本的には子の健全な育成に有益なものということができるから、子の福祉を害するおそれがある特段の事情がある場合を除き、原則として認められるべきであるとし、子が施設に入所中における面会交流は施設の指導方針を尊重しながら行われる必要があることから、その具体的日時、場所及び方法を入所施設と協議して定めることとして、これを認めるのが相当であると判断しました。
そして、親権者である母親がその協議の上で実施される面会交流に承諾を与えないなどとして妨げることはできないとしています。















離婚、面会交流などにも取り組んでおりますので、ご予約の上法律相談にお越しください。
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弁護士 面川 典子(おもかわのりこ)  http://www.ovlo-law.jp
             電子メール: info@ovlo-law.jp

2014年6月10日火曜日

離婚件数と推移(人口動態調査より)



6月4日厚労省は、平成25年人口動態調査の結果を公表しています。
その中の離婚について、簡単にまとめてみました。

詳細は、厚生労働省人口動態調査

平成25年度の離婚件数は、23万1334組で、前年の23万5406組より4022組減少し、離婚率(人口千対)は1.84で、前年の1.87を若干下回りました。
離婚件数は、平成14年の28万9836組をピークに年々減少してきています。

同居期間別(5年毎)の離婚件数では、「5年未満」が7万4034件と最も多く全体の約26%をしめます。この5年未満が最も多い傾向は、継続したものです。
各期間別とも、「30年以上」を除き、減少しています。離婚件数が減少傾向の中で、「30年以上」が唯一増加傾向にあります。





















(その他関連統計)
・婚姻件数は減少66万594組で、前年の66万8869組より8275組減少し、婚姻率(人口千対)は5.3で前年と同率であった。

・出生数102万9800人で、前年の103万7231人より7431人減少した。

・合計特殊出生率
1.43で、前年の1.41を上回った。
過去最低であった平成17年の1.26より増えているとはいえ微増である。
なお、合計特殊出生率は「15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの」で、一人の女性がその年齢別出生率で一生の間に生むとしたときの子どもの数に相当するものである。

人口動態調査は、出生、死亡、婚姻、離婚及び死産の人口動態事象を把握し、人口及び厚生労働行政施策の基礎資料を得ることを目的としている。

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弁護士 面川 典子(おもかわのりこ)  http://www.ovlo-law.jp
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2014年5月28日水曜日

高齢者の交通事故が増加ー示談交渉の注意点

警察庁が発表した今年の「交通安全白書」によりますと、去年1年間に交通事故で
死亡した人は全国で4373人で、13年連続で減少しました。過去最高であった昭
和45年の交通事故死者数16、765人と比較すると大幅に減少しています。

しかし、65歳以上の高齢者の死者数は2303人で、死者数全体に占める割合は
52.7%とこれまでで最も高くなっています。
高齢者の死者は、▽歩行中が48.5%と最も高く、次いで▽自動車に乗車中が
26.6%、▽自転車を利用中が16.4%です。

急激な高齢化社会を迎え、この傾向は続くものと予想されます。私たちは、今まで
の交通環境とは違った状況が進みつつあることを認識し対応する必要があります。


(示談交渉に際して)
交通事故の加害者になってしまったときは、加入している保険会社が、被害者と交渉をし
ます。
一方、被害者になったときは、ご自身で、保険会社又は保険会社の代理人である弁護士
と交渉することになります。 一度、交通事故示談書に、サインをしてしまうと、これを取り
消すことは相当に困難になります。交通事故の示談交渉には、難しい法律問題を含むこ
とがありますので、一人で判断せず日弁連交通事故相談センターや、弁護士に相談され
ることをお勧め致します。特に、どうしても高齢者の方に、交渉を急ぐ傾向があるようです
ので、十分にご注意をいただければと考えます。

公益財団法人日弁連交通事故相談センター  電話 0570-078325











私も、交通事故問題に取り組んでいますので、どうぞご相談ください。
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弁護士 面川 典子(おもかわのりこ)  http://www.ovlo-law.jp
             電子メール: info@ovlo-law.jp

2014年4月4日金曜日

ハーグ条約が発効。和解協議あっせん窓口


報道されていますように、4月1日、「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ
条約)が我が国で発効しました。
元の居住国に子を迅速に返還するための国際協力の仕組みや国境を越えた親子の面会交流
の実現のための協力について定めています。
制度の概要(外務省資料)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000033409.pdf
                                
政府インターネットテレ日

政府インターネットテレビ
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg9575.html   
分かり易く、動画で見ることができます。




私の所属する東京弁護士会でも、外務省の委託を受けて,
海外在住の子を連れ帰 りあるいは留置した事案について,
当事者の合意によって,子の返還または面 会交流等を実
現するための和解協議をあっせんしています。
詳しくは、東京弁護士会HP
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弁護士 面川 典子(おもかわのりこ)  http://www.ovlo-law.jp
          電子メール: info@ovlo-law.jp